僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



凪の言葉に思考の在り方が全然違うんだなと思いながら、彗が「45歳でやっと昼の1時半」と言った。


「ああ……休憩中だな」

「うん……そうであってほしいね」


俺と凪が少なからずげっそりとした表情で言うと、有須がひと際明るい声を出す。


「休憩して、また頑張る頃だねっ」


どんだけポジティブだよ!


突っ込む気力もないまま、3年後、8年後、15年後と計算しては語り合い、夜は更けていった。



――人生を24時間に例えるなら。


俺たちは今、夜明けと言われる時間帯。


暗闇に薄明かりが差し込んで、今か今かと目覚めるのを待ってる頃。


それを誰かは、新しい1日が始まる希望に満ちた時間だと言うんだろうか。


それとも新しい1日が始まる憂鬱に満ちた時間だと言うんだろうか。


きっと、どちらも当てはまる。


15歳。

人生の4分の1も生きていない俺たちはまだ、夜明け前。