「イッテ! 肘打ったじゃねぇかよ!」
「うはは! ごめんごめん、邪魔だった!」
「上等じゃねぇか凪ちゃんよぉ」
「……喧嘩しないでよ」
彗がそう言うから、俺は凪にコントローラーを差し出す。
なんだか全員テンションが高い。それを裏付けるかのように、有須の明るい声がリビングに響いた。
「みーんなっ! 飲みもの何飲む?」
「んきゃーっ! さすが有須っ。ココアがいい!」
コントローラーを持った手を上へと伸ばす凪に有須は笑って、俺と祠稀にも聞いてくる。
「俺もココアでいーわ。彗は?」
「……熱すぎないほうじ茶」
「「爺さんか!」」
凪と声をハモらせて突っ込まれた彗はむつけて、「珈琲」と言い直した。
「あはは! いいよ、彗はほうじ茶ね」
カーディガンの裾を捲りながらキッチンに向かった有須に、床にうつ伏せになりながら他愛ない話をする凪と彗。俺はテーブルに頬杖をついて、煙草に火をつけた。
数分経ってから有須が飲みものを持ってくると、ゲームの存在を忘れて4人で話すのはいつものこと。
だけど今日は何分、何十分経っても会話が途切れることはなかった。



