僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「凪には俺が言っといてあげるよ。あんまり彗をいじめるなーって」


フフッと悪戯に笑う颯輔さん。


「……逆にまた俺が怒られるよ」

「ぶふっ! ありえるね!」


颯輔さんは笑いながら「帰ろう」と俺の頭を撫でた。病室を出て、先生にお礼を言ってから病院を出る。



少し肌寒い風が、気持ちいい。


マンションまで送ると言った颯輔さんに甘えて、色んな話をした。


緑夏さん……凪の母親も元気らしく、凪や俺に会いたがっているとか。高校生活はどうとか、同居生活はどうとか、祠稀や有須はどんな人なのかとか。


逢えなかった6年間を埋めるように、ひたすら話し続けた。


……あっという間にマンションに着き、名残惜しいけど、別れの時を迎えた。


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