僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「彗だって、俺の息子だからね」

「……ありがと」

「本当に分かってる!?」

「わ……分かってるってば……嬉しいよ」


凄い勢いで言ってくるから、思わず体を仰け反らせた。すると、颯輔さんは突然俺の左手に触れる。


「……」


ぴくりと、切ったばかりの傷が痙攣したような感じがしたと同時に、颯輔さんの指が包帯の上から一度だけ傷を撫でた。


……凪みたいなことしてる……。



「頑張ったな、彗」


黙って様子を見ていた俺に届いた言葉に、ぎゅっと胸が締め付けられて、熱くなる。


颯輔さんは俺に視線を戻して、何度でも微笑んでくれるんだ。


「もう大丈夫だよ。何も心配しないで、凪と笑って暮らしなね」

「……うん」


鼻の奥がツンとして、俺はとっさに眉を寄せる。きっとそんな俺に颯輔さんは気付いていたんだけど、何も言わずに立ち上がった。