僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



だけど、本当は、俺を手放したことを悔やんでると知って、嬉しかった。


やっぱり俺は颯輔さんが好きで……また逢えて嬉しいって思ってしまう。颯輔さんも同じように思ってくれないかなって、願ってしまう。


だからこれから先はもう、悔やんでほしくない。俺も、悔やんでばかりはいられない。


「……颯輔さん」

「うん?」


体に力を込めて、上半身を起き上らせる。手に巻かれた包帯を見つめてから、颯輔さんに微笑んだ。


「俺……今、幸せだよ。また凪と、暮らしてるんだもん」

「……」

「……迷惑かけたけど、颯輔さんにもまた逢えて、幸せ」


それが正直な気持ちだから。俺は、笑った。


「助けに来てくれてありがとう、颯輔さん」

「……うん」

「本当に本当に、ありがとう」


ひたすら真っ直ぐ、颯輔さんの瞳を見つめた。颯輔さんは何かに想いを馳せるように目を伏せて、口の両端を優しく上げる。


すると、ポケットから何かを取り出し俺の左手に収めた。