だけど、本当は、俺を手放したことを悔やんでると知って、嬉しかった。
やっぱり俺は颯輔さんが好きで……また逢えて嬉しいって思ってしまう。颯輔さんも同じように思ってくれないかなって、願ってしまう。
だからこれから先はもう、悔やんでほしくない。俺も、悔やんでばかりはいられない。
「……颯輔さん」
「うん?」
体に力を込めて、上半身を起き上らせる。手に巻かれた包帯を見つめてから、颯輔さんに微笑んだ。
「俺……今、幸せだよ。また凪と、暮らしてるんだもん」
「……」
「……迷惑かけたけど、颯輔さんにもまた逢えて、幸せ」
それが正直な気持ちだから。俺は、笑った。
「助けに来てくれてありがとう、颯輔さん」
「……うん」
「本当に本当に、ありがとう」
ひたすら真っ直ぐ、颯輔さんの瞳を見つめた。颯輔さんは何かに想いを馳せるように目を伏せて、口の両端を優しく上げる。
すると、ポケットから何かを取り出し俺の左手に収めた。



