「ハンカチハンカチッ!」
颯輔さんはハンカチを取り出すと俺の涙を拭いて、そのまま血が滴る左手首に巻こうとした。
……あれ?
「――……、彗?」
一瞬ふらつくと、目を見開いた颯輔さんが俺に視線を注ぐ。
「……深く切り過ぎたみたい」
フラ〜…と軽い貧血を起した俺を、颯輔さんが慌てた手つきで支えてくる。
「嘘だと言って! 彗!」
「……ヤバいヤバい」
頭……クラクラする……。
「いぃぃやぁぁあああ! 救急車ーーーっ! ここどこ!? 死ぬな彗ぃぃい!!」
さっきまでの威厳はいったいどこへ……?
慌てふためく颯輔さんに思わず吹き出してしまい、結局土地勘のない颯輔さんはありえない力で俺を担いで大通りに出ると、タクシーを拾い、病院へ向かった。



