「おいで、彗」
颯輔さんは俯く俺の肩に手を回し、おじさんの前まで俺を促した。
「見ろ。ここまで追い詰めたのはあなた達だ」
颯輔さんは俺の左手を持ち上げて、きっとおじさんの目の前に差し出してる。
……ダメだ。涙が、止まらない……。
「……っ」
おじさんの小さな呻き声が聞こえて、颯輔さんはなおも続ける。
「まだ15ですよ、彗は……。俺たちは彗を守らなきゃいけない立場なのに……あなた達は、自分をみっともないと思わないんですか」
颯輔さん……もういいよ……。もう、充分だから……。
――守られていると感じるのに、心苦しくなる理由が分かった。
颯輔さんが発する言葉はどことなく、後悔してるみたいなんだ。おじさんに向ける棘のある言葉は、自分にも向けてるみたいで……そんなこと、しなくていいのに。
突然俺を引き取りたいと言ってきた親戚たちに、颯輔さんはちゃんと断ってくれた。
自分が育てるって、言ってくれたじゃないか。だけど颯輔さんは優しいから、俺に確認しただけ。
彗はどうしたい?って、聞いてくれただけ。



