たどり着いたのは住宅街の一角にある公園。無邪気な子供たちの姿はなく、人の気配がない薄暗い公園は少し怖かった。
「待てと言ってるんだ!」
見事なまでに追いかけてきたおじさんたちに、俺と颯輔さんは立ち止まる。振り返ると、おじさんとおばさんが息を切らしながら俺と颯輔さんを睨んでいた。
公園に、大人3人と高校生の俺だけという異様な光景。
「しつこい人達ですね。まだ何かあるんですか?」
「裁判を起こすぞ!」
「裁判?」と眉を寄せた颯輔さんは少し間を開け、耳の後ろを掻いた。
「はあ……どんな理由で」
「育ててもらった恩を忘れ、困ってる私達を助けようとしないっ! 慰謝料をもらうっ」
……バ、カ…なんだろうか……。
さすがの俺でもその言葉に面食らう。
「……望むのであればいいですよ? 裁判。むしろ俺があなた達を訴えましょうかねぇ」
「訴えられて困ることなどない! 貴様が慰謝料を払うんだ!」
「やだなぁおじさん」
「!」
颯輔さんは俺の左手を掴み、袖を捲り上げた。鈍い明かりを灯す電灯に、無数の傷跡が照らされる。



