「……寂しかったでしょ」
言うと思った。彗ならきっと、何も言わなくたって気付くんだろうって。
それからあたしに触れることも。ゆるく優しく頭を撫でてくれることも、分かってたよ。
「彗が来てくれたから、もう寂しくないよ」
一度俯いてから顔を上げて微笑むと、彗はあたしの頭を撫でるのをやめた。
180センチはありそうな彗の姿は、小さかった頃には想像付かなかった。
でも変わってない。
変わってないね……彗。
「ねぇ、彗?」
するりと頭から離れた彗の手に触れる。そっと優しく、指を絡ませて。
眉を下げてあたしを見下ろす彗に微笑みながら、繋がった手を引き寄せた。
「……こうやってまた逢えて、嬉しい」
引き寄せた彗の手を両手で包んで、目を伏せる。



