僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なぜ貴様が……」

「あ、すいません。ありがとうございます」


先ほど颯輔さんが話しかけていた店員が珈琲を2つ持ってきて、テーブルに置いた。


頼んでたんだ……。


「彗ほら、奥座って」

「あ、うん」


俺はおばさんの目の前に座り、颯輔さんはおじさんの目の前に座って軽く珈琲を飲んだ。


「……なぜ貴様がいると聞いてるんだ」


ギロリと睨むおじさんに颯輔さんは臆することなく、小首を傾げる。


「なぜと言われても。彗は亡き弟の息子ですからねぇ。いたらおかしいですか?」


こともなげに言う颯輔さんとは反対に、おじさんは嫌悪感丸出しで体を震わせた。俺はただ黙って、珈琲が入ったカップに手を伸ばす。


「ああそれと、あなた達の借金の話でお伺いしたんですけど、まずかったですかね?」


いきなり話を振る颯輔さんに、危うく飲んでいた珈琲を吹き出しそうになった。


いきなり過ぎるよ……。