「かわいいなぁ〜彗。金茶の髪は相変わらずなんだねぇ」
昔は凄く大きく思えた手が、俺の頭をグシャグシャと撫でる。
「……颯輔さんは老けないね」
「うっそ本当に!? いや〜彗にそう言われると嬉しいなぁ。凪なんて親父くさいとかウザいとか言うんだよ……」
まあ……想像つくけど……凪の場合は反抗期なだけだと思う。
久々に会って緊張してる俺に気付いたのか、颯輔さんは優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ彗。俺が全部、解決してあげちゃうよ〜?」
「ははっ! ……ありがとう……本当に」
気が抜けるような話し方は、まだ健在なんだね。
「よし、そろそろ行こうか」
ポンと俺の頭を叩いて、颯輔さんは歩き出した。
「すぐ済むから、彗は黙っててもいいからね。頼んだ物は持ってきた?」
「……持ってきた」
「じゃあ問題ないね。店出てからにしようか」
「……大丈夫かな」
「大丈夫だよ。なぜなら俺にも取っておきの秘策があるからねっ」
子供みたいに笑う颯輔さんの言葉を信じて歩いた。おじさんたちが待つ喫茶店へ、1歩1歩、力強く。



