僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「つぅか携帯忘れてくとかふざけんなよこの不思議ちゃんが」

「……いふぁい」


祠稀が俺の両頬を片手で押し潰してる最中、有須が3つのマグカップを持ってきた。


「もう祠稀! 離してあげなよっ」


テーブルにマグカップを置く有須に怒られて、祠稀はようやく俺を解放してくれる。


「で? 何があったわけ? 颯輔って誰だよ」


頬をさすっていれば早々と祠稀が聞いてきて、俺は家を出てからのことを振り返る。


「……えっと……颯輔さんは、俺の父親の兄貴で……凪の父親」

「凪の……?」

「……うん。凪のお父さん」


有須が煎れてくれた珈琲を一口飲んで、俺はまた話し始める。


「……今日の朝にね、颯輔さんから電話があったんだ。……凪から聞いたって。彗たちだけで解決できるかもしれないけど……彗を手放した責任が、俺にはあるって……」


懐かしい、優しい声で、申し訳なさそうに話していた颯輔さん。