◆Side:彗 「……一旦着替えてくるね」 「あ、おう」 凪が出て行ったのを見送って、祠稀と有須に話す前に自室へ着替えに行く。 スウェットに着替え、ふと左手を見る。手首から手の平半分まで巻かれた白い包帯。 ――『頑張ったな、彗』 懐かしい声と優しい言葉を思い出し、ジワリと胸が熱くなる。 ……ありがとう。 何度も何度も言ったけど、まだ言い足りない。 この世でいちばん尊敬してる人。 この世でいちばん憧れている人。 颯輔さん。 俺……今が、人生で最高に幸せだよ。