「ダメだわ。見つかんねー」
少し汗ばんだ額を拭いながら、祠稀が帰ってくる。すでに有須も帰ってきていて、あたしたちはリビングでじっとしている他なかった。
「どこ行っちゃったんだろう…」
有須は不安そうに壁時計を見上げる。
おじさんたちも来ないし……彗が出ていってからそろそろ4時間が経つ。
何度かけても携帯は繋がらないし、こんなにも携帯が役に立たないと思ったのは初めてだ。
「後半さ、ひとりじゃ無謀だと思って知り合いに喫茶店とかファミレスとか探してもらったんだけど見つかんねーよ」
……どこにいるの、彗。
「あたし探してくる……っ」
もう待ってられない。そう思って立ち上がると、耳に届いた、玄関の開く音。



