玄関の閉まる音を最後に、リビングは異様にさえ感じる静けさを纏う。
あたしはソファーに深々と座り、両手で顔を覆いながら深呼吸。
……祠稀は大人だ。
あたしみたいに慌てたり、取り乱したりしない。冷静に、物事を考えられる人。
……でも探してくるって、どこを? どうやって?
あたしも自分で言っといてアレだけど……探して見つかるものなのかな。
彗と似たような髪色だって、街中にはいっぱいいるだろうし……何を目印に探せばいいんだろう。
「……彗」
心配で、心配で、たまらない。おじさんたちに出くわしていなければいい。傷ついていなければいい。
ひとりで、泣いていなければいい。
どうしようもない不安に襲われながら、あたしは祠稀からの連絡を待つ。
だけど30分経っても1時間経っても祠稀から連絡が入ることはなく、気付けば夜になり、彗が家を出てから3時間以上経っていた。



