僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ




「……ちょっとコンビニ」

「え、なんで!? てか私服!?」


マンションに帰り、自室で着替えリビングに戻ると、彗が私服に着替えて立っていた。


ちょうど祠稀も私服に着替え自室から出てきたところで、彗を見て「お?」と言う。


「……兄貴に言われたので」

「は? 兄貴? 誰それ」

「俺が有須を見習えって言ったから? いや〜いい子だな彗っ」


ちょ……ひとりだけ部屋着のあたし立場ゼロなんだけどっ。


「ていうか部屋着って言ってもあたしの場合、ジャージとは違うんだからね!?」


かわいいし、高いし! ルームウェアだし!


「分ぁかってるって。ジャージとも私服とも言えない微妙な間だろ」

「微妙って言うな!」


あたしと祠稀の言い争いに、我関せずって感じで「行ってきます」と早々とリビングを出た彗。


「こんな時にコンビニ行くなんて、緊張してんのかな?」


玄関が閉まった音がしたあと、冷蔵庫の中を覗いている祠稀に問いかける。