僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「腹減ったぁぁあ……」


3人並んで歩いていると、祠稀がぼやく。


「夕飯まで我慢してくださーい」

「ここに鬼がいまーす」

「……喧嘩しないでよ」


睨み合うあたしと祠稀に呆れ顔で注意する彗。時たま廊下ですれ違う友達にバイバイと手を振りながら、下駄箱に向かう。


「とりあえずあたしは早く着替えたい」

「凪って家にいる時、部屋着のまんまだよな。コンビニ行く時すらそのまんまだし」


あたしは、家なのに私服を着る祠稀のほうが理解できないけどね。


そう心の中で思いながら、まだ真新しいローファーに履き替えた。


「ていうか、あたしより彗のほうが部屋着率高くない?」

「どっちもどっちだろ。少しは有須を見習えば?」

「んふー、だらしないって言いたいのかなぁ?」

「こっわ! 彗、凪がコエー!」

「……だから、喧嘩しないでよ」


3人ずっとこんな調子のまま、マンションまでの道のりを歩いた。