「腹減ったぁぁあ……」
3人並んで歩いていると、祠稀がぼやく。
「夕飯まで我慢してくださーい」
「ここに鬼がいまーす」
「……喧嘩しないでよ」
睨み合うあたしと祠稀に呆れ顔で注意する彗。時たま廊下ですれ違う友達にバイバイと手を振りながら、下駄箱に向かう。
「とりあえずあたしは早く着替えたい」
「凪って家にいる時、部屋着のまんまだよな。コンビニ行く時すらそのまんまだし」
あたしは、家なのに私服を着る祠稀のほうが理解できないけどね。
そう心の中で思いながら、まだ真新しいローファーに履き替えた。
「ていうか、あたしより彗のほうが部屋着率高くない?」
「どっちもどっちだろ。少しは有須を見習えば?」
「んふー、だらしないって言いたいのかなぁ?」
「こっわ! 彗、凪がコエー!」
「……だから、喧嘩しないでよ」
3人ずっとこんな調子のまま、マンションまでの道のりを歩いた。



