色素が薄く、ほぼ金に見える茶髪を無造作にセットしてる。垂れ目がちで眠たげな、大きい瞳。


背が大きくなってる。でもどことなく頼りないその姿。


昔の面影そのままに、懐かしい人が立っていた。


「……凪、久しぶり」


少し声が低くなってる気がしたけど、今はそんなことどうだっていい。


夢みたいで、嘘みたいで。だけど目の前に立つ人に込み上げる気持ちは、本物だった。


「っす……いぃぃい!!」

「あぶっ……ないよ……もう」


荷物をたくさん抱えた彗に飛びつく。


懐かしい、嬉しい。
また会えて、嬉しい……。


「うぅー! 彗ー!」

「反りすぎ……背中痛い……重い…」


押し倒さんばかりに抱き付くあたしに不満をぶつける彗だけど、大きくなった手はしっかりあたしの背中に添えられていた。それがどうしようもなく幸せで、ゆっくりと顔を上げる。


「久しぶりだね、彗」

「……うん。これから、よろしく」


優しく微笑む姿を、何より見たかった。あたしと同じ名字は、ふたりを繋ぐ大切なもの。



ひとり目の同居人、

夢虹 彗(むこう すい)


6年ぶりの、再会。