僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ




「ほんっとにゴメンね!!」


放課後の教室で、有須が申し訳なさそうに両手を合わせる。


「いいって! 大会近いんでしょ? 頑張ってね」


有須が所属するバレー部は大会が近いらしく、試合に出ない1年生も欠席は許されないらしい。


「大変だよなぁ。まあ頑張れよ。こっちも頑張るから」


今日おじさんたちが来るかもしれないと分かっている分、有須は本当に申し訳なさそう。そんな有須に彗は近付いて頭を撫で、腰を曲げた。


「……気にしないで。頑張ってね」


顔を覗き込まれた有須はボッと頬を染め、「うっ、うん! ありがとうっ」とアタフタしている。


あたしも祠稀も、イケメンな彗にそんな近付かれたら仕方ないよなぁ……と生温かい目で見ていた。


あたしは見慣れてるし、祠稀は同性だからなぁ。有須は心臓に悪いのかも。


「じゃあ、ホントにゴメンね! 部活終わったらすぐ帰るからっ! 気をつけて帰ってね!」


アタフタしたまま教室を出て行く有須に手を振りながら、あたしたちも帰ることにした。