僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……添い寝?」

「はあああ!? 俺はノーマルだっつうの!」

「……何が?」


祠稀がイラッとしたのが目に入った瞬間、頬をつねられる。痛いと訴えるように祠稀の腕を叩くと、「何やってんの?」と凪がダイニングテーブル越しに覗きに来た。


「おお! 野菜炒めじゃ〜ん。塩コショウ大量にかけた?」


凪が来たことでつねられる痛みから解放された俺は、頬をさすってふたりの会話を黙って見つめる。


「出たよ薄味嫌いが。俺らまで高血圧予備軍に巻き込むんじゃねぇよ」

「んふふーっ! 祠稀く〜ん? それはあたしが老けてるって言いたいのかなぁ?」

「お前、なんでもかんでも老けてるに結びつけ過ぎじゃね!?」


ギャーギャー騒ぐ凪と祠稀を交互に見て、ほっとくことにした。


「運んじゃおっ」


めずらしく口喧嘩するふたりに我関せずな有須は、俺に笑顔を向けてくる。


それはいつもと変わらない笑顔で、嬉しくて、俺も笑い返した。


「あ、お米炊けたね! あたし善そうから、彗はお味噌汁よそってもらっていい?」

「……ん。分かった」


にこっと笑った有須は、喧嘩するふたりに声をかける。