僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……もしかして凪? たかがマグカップにそんな話あんの?」


おかしそうに笑う祠稀に、俺は続ける。


「……ピンクはね、穏やか、愛情深い、幸福を求めるとかなんだって」

「へぇ。赤は?」

「……情熱」

「それだけかよっ!」


だって凪に聞いたんだもん……。


祠稀のマグカップを棚に戻すと、「彗は?」と尋ねられた。


「黄色は何なんだよ」

「……光」

「光? ああ、光っつったら黄色のイメージかもな。あとは?」


調味料を野菜にかける祠稀を見ながら、クッキングヒーターのそばに皿を置く。


あと、なんだったかな……。


「……えっとね。希望、求愛……あと……甘えん坊?だって」

「ぶっは! 超ピッタリ! 子供って黄色好きだもんなっ」


ゲラゲラ笑う祠稀にちょっとムッとしながらも、ピッタリと言われる意味を考える。


……俺やっぱ……甘えん坊なイメージあるのかな……。