「ちゃんと話したわけ?」
キッチンに入って暫くすると、そんな言葉が耳に届く。
面倒くさそうに野菜を炒める祠稀は、炊飯器のボタンを押そうとした俺を見ずに話しかけてきた。
「……うん」
「そ」
早炊きボタンを押し、野菜炒めを乗せる皿を食器棚から4枚取り出す。ふと右を見ると、色違いのマグカップが4つ、仲良さげに並んでいた。
凪が赤で、有須がピンク。祠稀が青で、俺は黄色。凪がみんなのイメージカラーって笑って買ってきたものだ。
……有須以外、髪の色じゃんって言ったら怒ってたな。
「……祠稀、青の色彩心理学って知ってる?」
「色彩心理学? 何いきなり」
「青はね、冷静、気品、威厳、静寂」
祠稀のマグカップを見せながら言うと、祠稀はリビングで有須と笑って話してる凪を見た。



