僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……っ、っ」


祠稀があまりにも近付いて来るから思わず後ずさる。と、いきなり胸ぐらを掴まれた。


ぎょっとする凪と有須を垣間見ながらも、俺より数センチ低い祠稀に目を合わせる。


「……祠稀?」

「手伝え、皿洗い当番」


あ……そっか。俺も――…。


「えっ!? 彗もっ……」

「あははははっ!」


急いで口を覆う有須と笑う凪に、俺はなんの反応もできなかった。


……それは、料理当番の補助が俺だと不安ってことだよね?


「ごご、ごめん彗っ!」


顔を真っ赤にしてアタフタする有須。凪は吹き出して、祠稀は俺の胸ぐらを離した。


「ドジんなよ」


祠稀は悪戯に笑ってキッチンに向かう。その背中を見て、ぽつりと呟いた。


「……頑張る」