僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



──ガチャ。


夜10時半過ぎ、薄暗い自室から温かい光が灯るリビングへ出た。


凪が俺の背中に手を添えて前に進むよう促すけど、気まずさから俺の視線はフローリングに落ちていた。


有須と祠稀がいるんだろうとは察していて、勇気を出して顔を上げると、薄茶の髪とブルーブラックの髪を見つける。


ふたりはソファーに座って、俺を瞳に映していた。

予想とちがったのは、凪と同じく優しい笑顔を添えていたこと。


「腹減った」


祠稀は突然そう言ってソファーから立ち上がる。


「そうだね、夕飯にしよっか!」


背伸びする祠稀の隣に有須も立ち上がり、俺は戸惑いから凪を見た。


「……ふふっ」


凪は口元を押さえ微笑すると、ポンと俺の背中を叩いた。


「今日の当番って祠稀だよね? はい今すぐ作ってー!」

「げっ、俺!? ……マジでか」

「頑張って祠稀!」


うなだれる祠稀は「仕方ねぇなぁ」と呟き、急に俺のほうへ歩み寄ってきた。