「彗は醜くなんてないよ……昔から、素直で、純粋で……不器用で優しい……心が綺麗なんだよ……。誰よりも、きれ……っ」
涙を拭ってくれた手を引き寄せ、強く強く、凪を抱き寄せた。ぎゅっと強く抱き締めると、俺の肩に顔を埋める凪。
愛しくて、切ない。この世でいちばん、大切な人。
「……ありがと、凪」
この世でいちばん、守りたい人。
「……いいよ」
「……ホントに、ありがと」
「……っ……ふっ」
ぎゅっと強く抱き締めたのは俺じゃなくて、凪だった。
俺の存在を確かめるように、二度と離さないみたいに、強く抱き付いてくる。愛しさが込み上げてきて、フワフワの赤毛を撫でると、犬みたいにすり寄ってきた。
俺も凪も泣いてるけど、悲しいんじゃない。嬉しいんだ。
きっとここが、幸せの場所だと感じられたから。



