「……切りたくなったら………あたしの前で切って。切っていいから……っそしたら……抱き締めてあげるから……ひとりで切らないで……お願い、彗……」
ずっと……叫んでいた。ここにいると。生きたいと。
心の中で叫んでも、誰にも伝わるはずないのに。
苦しみをさらけ出せなくて、我慢して我慢して、もっと我慢して。
行き詰まった苦しみを、不意に浮かぶ死への欲求を、リスカすることでなんとか凌いでいた。
朝を迎えるために、明日を生きるために。生きたいから、自分を傷付けていた。
「……苦しい? 彗…」
凪が、俺の右手に触れる。目を覆うのをやめて、凪と視線を交わらせ、震える口を開いた。
「……苦しい」
初めて、口にした。それだけで少し、心が軽くなった気がした。
「苦しいのは、諦めてないからだよ、彗。……彗は生きてるんだよ……生きてるから、苦しいの。……分かる?」
「……うん」
流れた涙を、凪の温かい手が拭ってくれる。



