「弱くていいんだよ……彗。無理に強くなんて、ならなくていいの」
彗のサラサラの髪から、柔らかくて甘い香りがする。
――昔と同じ。
ほとんど金色の彗の髪はとても綺麗で、初めて逢った時から大好きだった。
同じ家に住んで、同じシャンプーを使って、同じ布団で眠っていたこと、覚えてる?
寂しさを埋め合った。楽しさを分け合った。ふたりでいる時間が、何より幸せだった。
今はあの頃と、同じだよ。
「生きる意味が見つからないなら、あたしと一緒に見つければいい……見つからなくたっていいよ、彗……あたしが……っ」
彗の左手が、あたしの背中に回って、涙が溢れた。
「あたしには……彗が必要なんだよ……あたしが、彗の生きる意味になるから……」
だから、生きて。
泣きたい夜は、一緒に泣いてあげる。寂しい夜は、寄り添ってあげる。眠れない夜は、朝まで語り明かそう。
そしたらいつものように
優しく、笑って。



