その右手で、何度自分を傷つけたの……? 切って、切って、何度も切って。それでも生きる意味が見つからないの?
彗の右手はこんなに温かいのに。生きてるのに。孤独なんかじゃ、ないのに……。
「……彗、苦しい?」
頬に添えられた右手を掴んで下ろすと、彗は弱々しく握り返してくれた。
向かい合って彗を見上げても、何も返事がない。ただ寂しく微笑んで、力なく床に横たわる左手は一向に動く気配がなかった。
「……」
そっと彗の左手に触れると、戸惑ったのか、微かにピクリと動く。
……ごめんね彗。あたしに気付かれたくなかったんだよね? でも無理なの。知らないふりなんて、できないの。
彗の左手を握り締め、まっすぐ薄茶の瞳を見つめた。
「……痛くない?」
なんでこんな浅薄なことしか言えないんだろう。彗はバネが弾かれたように目を見開き、あたしを見ている。
彗がごまかす前に、あたしは言葉を続けなきゃいけない。



