目の前には広がったのは、真っ暗な部屋に灯る青い光。
床に座り、ベッドに寄りかかる彗は部屋に入ってきたあたしを見ることはなかった。それだけで、涙が出そうになる。
きゅっと下唇を噛んで我慢し、ドアを閉めるだけの行動に激しく緊張しながら部屋に足を踏み入れた。
「……彗?」
俯く彗のそばに寄り、左腕に触れて辺りを軽く見渡す。テーブルの上には何もなくて、その変わり床に物が散らばっていた。
やっぱり……。1度だけ聞こえた大きな音は、彗が物に当たり散らした時のものだ。
「……、彗……」
せっかく我慢したのに薄暗い部屋の輪郭が歪んできた。
よく見ると彗は服の袖を手の平まで伸ばし、その手首を右手で掴んでいた。
あたしが手を離してと言った時、袖には血が滲んでいて……あれは、爪を立てて強く握ったからだと思ってたよ。



