「それに彗は凪と違って、やかましくねぇし?」
ニヤリと悪戯に笑った祠稀に、凪は涙を流した。
「うるっさい……ほんと、ムカつく……っ」
笑う祠稀にあたしも微笑んだ。
今の凪の涙は悲しいものじゃなく、きっと嬉しい涙だから……あたしも祠稀も、笑うの。
「っありがとう……彗を、好きになってくれて……」
俯いた凪を、あたしは堪らず抱き締めた。祠稀は柄にもなく頭を撫でてあげている。
……大丈夫だよ、凪。
あたしも祠稀も、彗のことが好きだよ。苦手だなんて思わない。嫌いだなんて思わない。
優しい人。穏やかな人。かわいい人。そう、感じるよ。
だからね、きっと大丈夫。



