僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「それに彗は凪と違って、やかましくねぇし?」


ニヤリと悪戯に笑った祠稀に、凪は涙を流した。


「うるっさい……ほんと、ムカつく……っ」


笑う祠稀にあたしも微笑んだ。


今の凪の涙は悲しいものじゃなく、きっと嬉しい涙だから……あたしも祠稀も、笑うの。


「っありがとう……彗を、好きになってくれて……」


俯いた凪を、あたしは堪らず抱き締めた。祠稀は柄にもなく頭を撫でてあげている。


……大丈夫だよ、凪。


あたしも祠稀も、彗のことが好きだよ。苦手だなんて思わない。嫌いだなんて思わない。


優しい人。穏やかな人。かわいい人。そう、感じるよ。


だからね、きっと大丈夫。