「それが凄い嬉しくて、いつにも増して早口で喋るあたしを見て、彗は初めて笑ったの。……誰かの笑顔を見てあんなに幸せになったこと、ない……」
凪と彗の昔話が、頭の中で映像になるよう。
楽しそうに笑う、幼いふたり。きっとその時が、凪と彗が初めて心を通わせた時。お互いが、かけがえのない存在になった時……。
「それから段々と仲良くなって、彗は話すようになったし、笑うようになったの」
あたしを見て、祠稀を見て、凪は微笑んだ。不意に、祠稀が口を開く。
「……彗ってさ、凪と話す時はあんま反応遅くねぇよな」
あ……確かにそうかも。割とぽんぽん会話が進んでる気がする。
祠稀の言葉に、凪は笑った。
「気付くもんだね。……あたしと話す時は、確かにあんまり反応遅くないね」
凪は冷めたココアを一口飲んで、再び話し出す。



