僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「彗がね、ワンテンポ返事が遅かったり脈略ない会話をするのは、怖いからなんだ……人と接するのが、怖いんだよ」


凪はそう言いながら口角を少し上げたけど、その目は悲しそうで……胸がつかえた。


祠稀も眉を下げながら、凪を見つめていた。


「あたしと暮らし始めた時からなんだよ。いつも遠慮がちで、相槌ばっかりで……会話に混ざろうとしないで……じっとしてるの」


凪は思い出すように、実家から持ってきたのであろう机やテーブルを眺める。


「それでもあたしは彗がいることが嬉しくて、遠慮なく話しかけてて……あたしひとりっ子だからさ……親は仕事で忙しかったし」


……凪ひとりっ子なんだ。家事できたり、テキパキしてる理由が分かった気がする。


「そのうちね、あたしがあんまりうるさいもんだから、彗が初めて自分の意見を言ったの。……聞こえてるから、そんなに忙しく話さないで……って」


ふっと笑みをこぼし、凪は視線を落とす。