「あたし……なんで気付かなかったんだろう……っ……なんで……逢いに行かなかっ……っ」
肩を震わせる凪に寄り添う有須まで、泣きそうな顔をしている。
「……気付かなくて当たり前だろ。彗はお前との連絡を拒んだんだし……簡単に会いに行ける距離でもなかったんじゃねぇの?」
凪は俺の言葉に首を振る。
……否定ではなく、分かっているけど、事実を認めたくないんだ。
なあ、凪……。自分を責めんなよ。
責めて、どうにかなんのかよ。
「過去なんてどうでもいいべや。過ぎたことをいつまでも悔やんでさ、どうにかなんの?」
俺の言葉に凪は顔を上げ、同時に涙が床に落ちた。
「お前はさ、そうやって『なんで、なんで』って……もう充分だろーが。過去は変えらんねぇんだよ。大事なのは、今だろ」
涙に濡れた瞳が、ジッと俺を見ている。



