僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「一緒に住み始めて、4年たった頃……突然親戚の人が家に来たの……っ彗を、引き取りたいって…っ」


凪の父親は最初、自分が育てると断っていたらしい。


だけど必死に頼んできて、もともと彗は交代で面倒を見る話だっただろうと言われ、大事に育ててくれと、彗を手放したらしかった。


「あんなに……必死に、彗を育てたいって、かわいがるって言ってたのに……っ!」


凪の家を出た彗は、最初の親族の家で1年間暮らし、そこで自分を引き取ったのは遺産目当てだと分かったらしい。


それが分かった彗は、人と関わるのをやめた。


凪と続けていた手紙交換も徐々に減っていき、中学2年生になる頃には完全に途絶えたらしい。


その後も遺産目当ての親族は途絶えることなく、彗は親族の家を転々と……。


あんなに優しく笑う彗がそんな境遇で育ったなんて、信じられなかった。