「彗の両親は、彗が5歳になる直前に……飛行機の事故で……亡くなったの」
凪はなるべくゆっくり、涙を堪えながら話してくれた。
……幼い彗は突然ひとりぽっちになり、親族が交代で面倒を見ることになったこと。
だけど親族達は急には無理だとためらい、最初に引き取る人が中々現れなかったこと。
「うん……それで?」
言葉に詰まった凪に、有須は優しく声をかける。
「その頃ね、あたしの……パパはね、色々と忙しくて……彗が住んでたところからずいぶん遠い場所に住んでたし……彗を引き取れる状況じゃなかったんだけど……弟の息子なら、って……うっ……」
凪は両手で顔を覆い、俯く。
「家族だったのに……! たった…4年間でも……一緒に……っ」
「……凪……」
有須がたまらず凪の背中に手を添える。俺はただ眉を寄せ、その様子を見つめた。



