僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……彗を……ひとりにさせたくないのに……」

「今の彗に何か言っても、無駄だろ」

「無駄じゃないっ!」


声を荒げると祠稀は目を見開いて、あたしは涙を浮かべて俯いた。


「無駄なんかじゃない……」


もう一度それだけ言って、嗚咽が零れないように唇を結ぶ。



――分からないよ。

どうしてダメなの? 何が無駄なの?


彗はひとりになりたいの? 悲しいはずなのに、苦しいはずなのに。


今と同じ苦しみを、今まで味わってきたんでしょ? それなのに、どうしてまたひとりを選ぶの?


あたしは、彗の役に立たないの? 頼りない? 信じられない?


必要、ない?



「……泣くなよ、凪……」


……だって。



きっとあたしじゃ、彗の痛みが分からない。


.