「……本気の好きって、なんだろうね」
呟いた凪の横顔が今にも泣き出してしまいそうなほど、心苦しい感じがした。
実際その通りなんだろうけど……俺にはそれを拭い去ってあげられなくて。
だから凪はすぐ、自力で笑顔に戻るんだ。
「始めは本気で好きだと思って、付き合うんだけどねっ」
「……みんなそうでしょ」
「彗は? 彼女欲しい?」
「いりません」
「だと思った! つまんなっ」
つまんなっ、て……。祠稀にも言われたよ。
「あ、帰ってきたんじゃない?」
そう凪が言ったと同時に、戸口が開く音がした。
「ほらっ、食べる準備しよ」
俺は凪に続き立ち上がり、帰ってきた祠稀と有須を笑顔で迎えた。
心の中で、凪の幸せを祈りながら。



