僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……本気の好きって、なんだろうね」


呟いた凪の横顔が今にも泣き出してしまいそうなほど、心苦しい感じがした。


実際その通りなんだろうけど……俺にはそれを拭い去ってあげられなくて。


だから凪はすぐ、自力で笑顔に戻るんだ。


「始めは本気で好きだと思って、付き合うんだけどねっ」

「……みんなそうでしょ」

「彗は? 彼女欲しい?」

「いりません」

「だと思った! つまんなっ」


つまんなっ、て……。祠稀にも言われたよ。


「あ、帰ってきたんじゃない?」


そう凪が言ったと同時に、戸口が開く音がした。


「ほらっ、食べる準備しよ」


俺は凪に続き立ち上がり、帰ってきた祠稀と有須を笑顔で迎えた。



心の中で、凪の幸せを祈りながら。