僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


───…


「ねぇ彗?」

「……なに?」


家に帰って暫くしてから、夕飯を作り始めた。俺は味噌汁の具を切って、凪はおかずを作っていた。


「これは一体なんなの?」


茹でている味噌汁の具を見て、凪がニコッと笑う。


「……ぶつ切り大根」

「ふふふふーっ」


無反応でいたら、バシッと肩を叩かれた。


「煮物か!!」

「味噌汁の具だよ」

「デカいよ!」


今さらそんなこと言われても……あと叩く力が強すぎる。


「そもそも、銀杏切りって何?」


痛む腕をさすりながら聞くと、凪はありえないと言いたげな表情をする。


「薄くて三角っぽいのだよ!」

「……ああ、」


一昨日くらいに食べた味噌汁に入ってた具。アレが銀杏切りか。


「も〜、この大根透明になるまで時間かかるよ……。まあいっかぁ。食べられれば問題なーし」


凪は笑って俺を甘やかすから、申し訳なさと嬉しさが混じる。


……明日は、上手くやろう。