「てか有須さ、すっごい細いよね! 顔もかわいいし、羨ましい」


……細い、かわいい、羨ましい? あたしが?


「そんなっ……凪だって細いよ! 凄い美人だし!」

「いや、あたしはさ〜…昔から老けてるって言われてたから、こう、童顔でかわいい子に憧れるわけよ」


苦笑する凪を見上げても、あたしはやっぱり羨ましく思ってしまう。


「あたしは、凪みたいな美人になりたかったなぁ」

「いやいや……女ってさ、ないものねだりな生き物だよね」

「確かにそうかも……!」

「あはは! 今気付いた?」


ハッとするあたしを笑う凪に胸が温かくなる。


きっと凪って、人気者だったんだろうな。明るくて気さくで、美人なのに気取らなくて。


何よりも人との繋がりを凄く大事にしてる気がする。祠稀も彗も、同じように感じた。


……高校に入学したら、きっともっと、毎日が楽しくなる。