「漣くんの気持ちも考えないでゴメンネ」


 「うん」


 「アタシ…習い事あるから帰るね」


 「うん」


 「きっと良い方法見つかるよ」


 「うん」


 「また、…明日ね」


 「…またね」


 ボクは顔も上げずに答える。


 夕日に照らされた猫ちゃんたちが金色に光ってる。


 母ちゃん…心配してるかな


 ランドセルを担いだまま、公園の真ん中に置かれた段ボール。


 それを見つめるだけのボク。