この日を境に、ボクは学校帰りに公園に立ち寄るのが日課になった。


 農園のチューリップがユラユラ揺れる風が暖かいある日


 「漣くん、いつも急いで帰るね」


 小さな足音を忍ばせてやってきた彼女は、同じクラスの葉乃(ハノ)ちゃん


 「うん、友達が待ってるんだ♪」


 「友達?」


 「うん秘密の友達♪葉乃ちゃんも来る?すっごく可愛いんだよ」


 「いいの?」


 「うん、葉乃ちゃんならいいよ」


 「ありがとう、楽しみ~♪」


 ボクたちは、しりとりをしながら足早に公園まで歩く。