彼と出会ったのは、2年前の夏祭り。


 「あれ~、美姫たち何処行ったんだろう?」


 辺りをキョロキョロしながら、人混みの中を掻き分け歩く。


 ドンッ


 視界が急に暗くなった。


 「ごめんね」


 上から声が降ってくる。


 見上げると私より頭一つ分背の高い男の人。


 「あ、いえ…私も余所見をしていたので、すみません」