「先生、…ご免…」 あたしは何も言えなくなった。 あたし…こんな事で泣くような子だった? 「瑠璃ちゃん、無理しちゃダメだよ。」 何も言わないあたしに、小西先生は言った。 小西先生の顔は、診察してる時よりも真剣だった。 「瑠璃ちゃん、約束してくれないかな?」 「約束?」 「もう1人で泣かないって、泣く時はオレの前で泣け。な?」 「先生…」 「オレの前で泣くのが嫌だったら他の人でもいいんだ。宮森さんだっているし。とにかく、絶対1人で泣かないで。」 「先生。」 「うん?」 「ありがとう。」