「瑠璃ちゃん?」 小西先生だった。 あたしは時計を見た。 午前11時 朝の検査の時間だ。 「瑠璃、ちゃん?」 「どうしたの?」 「…?」 先生こそどうしたの? あたし、顔色悪いの? 小西先生はあたしに駆け寄ってきた。 「瑠璃ちゃん?!なんかあったの?!」 「何にもないよ。」 「じゃあ、何で泣いてるの?」 「ぇ?」 小西先生はポケットからハンカチを出して、あたしの目の下に当てた。 本当だ。 あたし、泣いてたんだ。