あたしは慌ててマネージャーに戻って。 …二人を、たしなめた。 「じゃ、タイム計ってね?」 「はいはい」 子供みたいな隆史先輩をそう宥めてから、その後ろ姿を見送ると。 「日向?」 「…ったく」 日向は珍しく拗ねたような表情をして。 その長い指で、あたしの髪を少し摘んだ。 「ひゃ…?」 「たまにお前がマネージャーであることにムカつく」 「な…なんで?」 日向の柔らかい綺麗な髪が、風に揺れる。 細い顎が軽く動いて…その口元が少し緩んだことに気が付いた。 「…なんでも。」