「俺?日向(ひなた)」


「…え?」


「相原日向」



"日向"の足は、軽やかで…とにかく早かった。



いつまで走っても、その背中に追いつくことはなかった。





…けど、同時に。



俺の心は希望と期待で満ち溢れていた。




「日向」


「…んっ?」


「お前の走りって…風みたい、だよな」



追い掛けて、追い掛けて、例え一生こいつに追いつけなくてもいい。



…そう、思えるぐらいに。







日向の走りは…



今まで見てきた中で一番、綺麗だったんだ…