* * *



『おかえり。』



明け方になって帰ってきた母の前に立ちはだかる。


出かける前から5つくらい老けたように疲労感の溢れた顔で、彼女はバッグをソファーに投げる。



『あんた起きてたの?』





『うん‥聞きたいことあって。』





『嘉人の事?あんたの高校の先生らしいね。』




『!』






『とりあえず寝かせてよ、あー疲れた。』





『お母さん。』




まっすぐと見つめた。





『何よそんな真面目になって。
‥‥‥‥‥‥‥あーもう。わかったよ。』



『付き合ってるの?』


『依存し合ってるだけ。あいつは私が他の男と寝てるのも知ってるよ。』


『いつから?その・・』

『体の関係になったのは四年前くらいからね。』



『‥!!』


そこまで関係が進んでいることは予想していたが、その長い歳月には驚いた。



『‥‥もういいでしょ、おやすみ。』



『‥‥‥‥‥お母さん。』


さっさと寝ようとする母を呼び止める。




『何よもう私は疲れて‥』


『フミコって誰。』







『———‥‥!!!』