* * * * *



1、2、3、4、5、‥


一段一段踏みしめていく。




超える超える 
あの日の叫び

超える超える
 あの日の涙


てっぺんにね、
 あなたがいるから。






扉をゆっくり開ける。



オレンジ色に浮かぶ、影。



それがこちらを振り返る。



微笑む。








痛みが全て光になって、

私たちを包み込む。








 ねぇ、これが、


私たちの


“世界”だ。









こみあげるものを抑え切れずその場にしゃがみこむと、
愛しい人の足音が聞こえ、
腕や背中が温まった。





彼の唇が耳に触れ、何かつぶやいた。




深くて優しいキスをした。

二人の涙が混ざって、塩気の強い味が舌先を刺激した。






ねぇ、もうすぐ冬が終わるよ。

またあの花が舞うんだ。




そのまま倒れこむ。





—永遠をみせてあげる‥—






片翼の天使達が一つになって、だいだい色の光に飛び立った。