久しぶりにそでを通す制服で、教室の扉を開ける。
クラスメート達が言葉を飲んで私を見るのを横目に、席についた。
せっかく学校やめるかと思ったのに、と嘲笑する亜子達にも、それをおしのけて駆け寄ってきた亮太にも、宮崎に帰ったカナにも、一挙一動を見つめるその他のクラスメートにも、全員に向けて、『おはよう。』と私は笑った。
* * *
亮太に改めて謝ると、
『本当にこっちが死にたくなるくらいだったけどな、いいよもう、生きてればもうそれで‥あ、でもちゃんと告りたかったのによー、てめぇ。』
と笑った。
『ごめ‥』
『でもふられんのわかってたしな。お前は俺じゃない誰かさん見てるし。』
びくっとして見上げると、
『わかっちゃうんだって、だって俺等、“くされ縁”だし?』
そう少し苦しそうに笑って私の肩を叩いた。
『ま、泣かされたらいつでも忠犬りょーたろーを呼びなさいね!』
笑える立場になかったが、亮太のために、感謝をこめて微笑んだ。


