回る、
アスファルト、
小石、ビル、空、太陽‥




ぐるぐる
ぐるぐる




回る回る あの日の叫び



回る回る いつかの涙







そして、ふと、すべてが止まった。
音が、消えた。




初めてあの扉を開けたときのような柔らかく切ないオレンジ色に包まれた。



すべて。


すべて。






張り詰めた糸が溶けていく。
いや、切れた後かもしれない。


それはそれは穏やかな境地だった。








——今‥‥‥?—————
と思った。







バックからあるものを取り出す。
衝動に任せて、指をゆっくり動かす。







『———麗!!!!!』


耳元で叫び声がした。



同時に、カシャンと手からカッターが滑り落ちて転がる。